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里親解説#1-4 不安がどこから来ているのかを一緒に考えて、解消できるものは解消し、解消できないものとはどう向き合うかを話し合う

児童相談所や里親支援団体の窓口を訪れると、最初に何が起きるのか。

書類を渡されて、条件を確認されて、手続きの説明を受ける。

そういう事務的な流れを想像している方もいるかもしれません。

でも実際には、最初の時間の多くは、話を聞くことに使われます。

支援者が聞くのは、制度の知識がどれくらいあるかではありません。

どんなきっかけでここに来たのか、子どもとどんなふうに関わりたいと思っているのか、今の生活の中でどんなことが気になっているのか。

そういった、その人自身の話です。

なぜ、そこから始めるのか。

制度の説明は、後からでもできます。

条件の確認も、手続きの案内も、必要になれば丁寧に伝えられます。

でも、その人がどんな気持ちでここに来たのかは、最初に聞かなければわからない。

そしてその気持ちを知らないまま制度の説明だけをしても、その人にとって本当に必要な情報は届かない。

だから現場は、まず聞くことから始めます。

動機の話は、特に丁寧に扱われます。

「子どものために」という言葉は、窓口を訪れる多くの方が口にします。

でも支援者たちは、その言葉の奥にあるものを一緒に探ろうとします。

子どもが独立して家が静かになった、自分の経験を誰かのために使いたい、社会とのつながりをもう一度持ちたい。

そういった、複雑に絡み合った動機の話を、否定せずに受け止めます。

自分のためでもあるという気持ちを、後ろめたそうに話す方がいます。

でも現場の支援者たちは、そういう複雑な動機を持って来た人を、歓迎します。

子どもとの関わりの中で、子どものためと自分のためが重なっていくことを、経験として知っているからです。

生活の話も、丁寧に聞かれます。

仕事のリズム、家族構成、住まいの環境、経済的な状況。

これらは審査のための確認ではなく、その人がどんな形で子どもを迎えられるかを一緒に考えるための材料です。

たとえば、フルタイムで働いている方が「それでも里親になれますか」と聞くことがあります。

現場の答えは、一律にイエスでもノーでもありません。

どんな働き方で、子どもが何歳で、どんなサポートが周りにあるか。

そういった具体的な状況を聞きながら、現実的に可能な形を一緒に探していきます。

不安の話も、大切に扱われます。

「うまくやっていけるか自信がない」「子どもに何かあったときに対応できるか不安」「家族が反対しているけれど、それでも進めていいのか」。

そういった不安を正直に話せる場所として、現場の窓口は機能しています。

不安を持って来た人に、「大丈夫です」と根拠なく励ます支援者はいません。

その不安がどこから来ているのかを一緒に考えて、解消できるものは解消し、解消できないものとはどう向き合うかを話し合う。

そういうやりとりの中で、漠然とした不安が少しずつ具体的な形になり、対処できるものとそうでないものが分かれていきます。

現場が大切にしていることを一言で言うなら、「その人のペースで考える」ということだと思います。

早く決めることを求めません。

答えを持って来ることを求めません。

ただ、今自分の中にある気持ちを正直に話してくれれば、そこから一緒に考えていける。

そういうスタンスが、現場には根付いています。

制度は冷たく見えることがあります。

条件があり、手続きがあり、審査がある。

でもその制度を動かしている現場には、子どもと大人の双方に向き合おうとする、人間的な温かさがあります。


隊士 お館様管理者

藤の里における鬼倒隊を統率している者。私が初めて鬼の存在を知ったのは、ボランティアの場でした。 里親制度への無知と誤解という鬼が、日本中に蔓延していること。そのせいで、家庭で暮らせずにいる子どもたちがいること。里親になりたくても、なれずにいる人たちがいること。 その現実が、忘れられませんでした。 それからも何度もボランティアを重ねるたびに、鬼の大きさを思い知らされました。 私自身は里親経験者ではありません。 剣を持って戦える立場にはない。 だからこそ、実際に戦ってきた方々の記録を集め、次の誰かへ届ける場所を作ることが、私にできる戦いだと思いました。 藤の里は、その使命のために生まれました。 あなたの戦いの記録を、ここに刻んでください。 その呼吸を、次の世代へつないでいきましょう。

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