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里親解説#1-2 最初は里親のつもりだったけれど、特別養子縁組についてきちんと知ったことで、改めてそちらを選ぶ人もいます

児童相談所や里親支援団体の窓口では、特別養子縁組と里親制度を、ほぼ必ずセットで説明します。

「特別養子縁組について聞きたい」と言って来た人にも、里親制度の話をします。

「里親に興味がある」と言って来た人にも、特別養子縁組の話をします。

どちらか一方だけを説明して終わり、ということはまずありません。

なぜそうするのか。

ひとつには、この二つの制度が、現場では切り離せないものとして存在しているからです。

子どもの側から見れば、特別養子縁組も里親も、「家庭で育つ」という選択肢の中にあります。

施設ではなく、家庭の中で、特定の大人との継続的な関係の中で育つこと。

その大切さは、どちらの制度も共通して大切にしていることです。

制度の名前が違っても、目指している方向は重なっている。

だから現場では、二つをまとめて「家庭養護」という言葉で呼ぶことがあります。

もうひとつの理由は、来てくれた人のためです。

「特別養子縁組を希望します」と言って窓口を訪れた人が、話を聞いていくうちに「里親の方が自分の状況に合っているかもしれない」と気づくことは、決して珍しくありません。

逆もあります。

最初は里親のつもりだったけれど、特別養子縁組についてきちんと知ったことで、改めてそちらを選ぶ人もいます。

最初に持ってきた答えが、話しながら変わっていく。

それは迷いではなく、自分に合った形を見つけていくプロセスです。

そのプロセスを支えるために、現場は最初から両方の話をします。

制度をセットで案内することには、もうひとつ大切な意味があります。

特別養子縁組には、年齢や婚姻など、一定の条件があります。

その条件の前で「自分には難しい」と感じた人が、里親制度の話を聞いて「こちらなら自分にもできるかもしれない」と思えることがあります。

子どもと関わりたいという気持ちを持って来てくれた人が、制度の条件だけを理由に帰ってしまうことは、現場にとっても、子どもにとっても、その人にとっても、残念なことです。

里親という扉があることを知ってもらうだけで、その気持ちを次につなげることができる。

だからこそ、両方を伝えることが現場の自然なスタンスになっています。

ここで少し立ち止まって考えてみてください。

特別養子縁組と里親制度を「どちらが自分に向いているか」という二択の問いとして捉えると、どちらかを選ぶことへのプレッシャーが生まれます。

でも現場の視点から見れば、この二つは競合するものではなく、子どもと家庭をつなぐための、性質の異なるふたつの仕組みです。

どちらを選ぶかより先に、自分がどんなふうに子どもと関わりたいかを考える。

その順番で考えることを、現場は大切にしています。


隊士 お館様管理者

藤の里における鬼倒隊を統率している者。私が初めて鬼の存在を知ったのは、ボランティアの場でした。 里親制度への無知と誤解という鬼が、日本中に蔓延していること。そのせいで、家庭で暮らせずにいる子どもたちがいること。里親になりたくても、なれずにいる人たちがいること。 その現実が、忘れられませんでした。 それからも何度もボランティアを重ねるたびに、鬼の大きさを思い知らされました。 私自身は里親経験者ではありません。 剣を持って戦える立場にはない。 だからこそ、実際に戦ってきた方々の記録を集め、次の誰かへ届ける場所を作ることが、私にできる戦いだと思いました。 藤の里は、その使命のために生まれました。 あなたの戦いの記録を、ここに刻んでください。 その呼吸を、次の世代へつないでいきましょう。

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