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週末里親から始めた夫婦の、1年間の記録。

「いきなり長期はハードルが高い。でも、何か始めたい。」

そう感じている夫婦に、最も向いている関わり方が「週末里親」です。

週末里親とは

週末里親(トワイライトステイ)とは、施設で生活する子どもを、週末や長期休暇などに自宅へ迎え入れる関わり方です。

委託期間は、金曜日の夕方から日曜日の夜まで、あるいは土曜日だけ、といった短いものから、夏休みの数週間にわたるものまで様々です。

長期の養育委託と異なり、子どもは平日は施設に戻ります。里親家庭にとっては、「週末だけ関わる」という生活への負担が少ない形で始めることができます。

ある夫婦の1年間

以下は、週末里親を経験した50代夫婦の声をもとに構成した、1年間の記録です。

【始める前、登録まで】

夫婦ともに50代、子どもなし。夫は会社員、妻はパート勤務。

「定年後に何か社会の役に立つことをしたい」と思い始め、里親制度を知ったのはネットの記事がきっかけでした。

「最初は養子縁組と里親の違いもわかっていませんでした。説明会に行くのも、何か決断を迫られるような気がして、二人で行くまでに3ヶ月くらいかかりました」

説明会に参加し、週末里親という形があることを知って「これなら始められるかも」と感じたといいます。

研修を受け、家庭調査を経て、登録完了までおよそ8ヶ月。

【1〜3ヶ月目、最初の委託】

登録後2ヶ月で、最初の委託の打診が来ました。小学校3年生の男の子、週末2泊3日の委託です。

「正直、最初の週末は緊張しすぎて、何を話せばいいかわからなかった。ご飯を食べて、近所を散歩して、ゲームをして、それだけでした。でも帰り際に『また来ていい?』と言ってくれて、それだけで十分だと思えました」

最初の数回は、何か特別なことをしようと張り切ってしまいがちです。

しかし「普通の週末を一緒に過ごす」ことの方が、子どもには安心感をもたらすことが多いといいます。

【4〜6ヶ月目、関係が育ち始める】

月に2回ほどの委託を続けるうちに、子どもが少しずつ打ち解けてきました。

「最初は敬語で話していたのに、いつの間にかため口になっていた。ある週末、学校での出来事をぽつりぽつり話してくれたとき、この子が私たちを信頼し始めてくれたんだと感じました」

この時期から、夫婦の間でも変化が起きてきたといいます。

「子どもの話をするようになって、夫との会話が増えた。二人で同じ方向を向いている感覚が久しぶりに戻ってきた」

【7〜9ヶ月目、うまくいかない週末も】

順調に見えた関わりが、ある週末を境に変わりました。子どもが急に口を閉ざし、食事もほとんど手をつけない。

何があったのかわからないまま、日曜日の夜に施設へ送っていきました。

「あの週末は本当につらかった。何がいけなかったのか、二人でずっと話し合いました。担当の支援員さんに相談したら、施設での出来事が影響していたことがわかって、自分たちのせいじゃなかったとわかってほっとしたけれど、それはそれで複雑な気持ちでした」

うまくいかない週末は、必ずあります。そのたびに担当者に相談し、一人で抱え込まないことが、長く続けるための鍵だといいます。

【10〜12ヶ月目、1年が経って】

1年が経ち、その子は引き続き月に2回ほど週末を一緒に過ごしています。

「最初は『週末だけでも十分貢献できる』と思っていたけれど、今は正直、もっと関わりたいという気持ちが出てきています。長期委託も視野に入れて、担当者と話し合いを始めました」

「この1年で、私たちの生活が変わりました。子どものために何かを考える時間が増えて、夫婦で話すことが増えて、週末が楽しみになった。里親を始めて良かったと、今は迷いなく言えます」

■ 週末里親から始めるメリット

生活を大きく変えずに始められる
平日は今までと変わらない生活を続けながら、週末だけ関わることができます。仕事や趣味を手放す必要はありません。

関わり方を自分たちのペースで調整できる
委託の頻度や期間は、担当者と相談しながら決めることができます。「月に1回から始めたい」「まず1泊だけ試したい」という希望も聞いてもらえます。

長期委託への自然なステップになる
週末里親から始めて、子どもとの関係が深まる中で、長期委託に移行するケースは少なくありません。「やってみてから考える」という姿勢で、無理なくステップアップできます。

夫婦で一緒に経験できる
週末という区切りがあることで、夫婦二人で取り組みやすい。共通の経験が、夫婦関係にも良い影響をもたらします。

■ まず、週末里親という選択肢を知っておいてください

「いきなり長期の委託は不安」という方にとって、週末里親は最も無理のない入口です。

完璧な準備が整ってから始める必要はありません。まず一つの週末を、一人の子どもと過ごしてみる。

その経験が、次の景色を教えてくれます。


隊士 お館様管理者

藤の里における鬼倒隊を統率している者。私が初めて鬼の存在を知ったのは、ボランティアの場でした。 里親制度への無知と誤解という鬼が、日本中に蔓延していること。そのせいで、家庭で暮らせずにいる子どもたちがいること。里親になりたくても、なれずにいる人たちがいること。 その現実が、忘れられませんでした。 それからも何度もボランティアを重ねるたびに、鬼の大きさを思い知らされました。 私自身は里親経験者ではありません。 剣を持って戦える立場にはない。 だからこそ、実際に戦ってきた方々の記録を集め、次の誰かへ届ける場所を作ることが、私にできる戦いだと思いました。 藤の里は、その使命のために生まれました。 あなたの戦いの記録を、ここに刻んでください。 その呼吸を、次の世代へつないでいきましょう。

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