「里親って、養子縁組と同じですか?」
里親制度に関心を持ち始めた方から、最もよく聞かれる質問の一つです。
似ているようで、目的も仕組みも大きく異なる2つの制度。
この違いを正しく理解することが、自分たちに合った関わり方を見つける第一歩になります。
一言で言うと、何が違うのか
まず最もシンプルな違いから整理します。
里親は、子どもを「一時的に家庭で養育する」制度です。
親子関係は生じません。子どもはいつか実の親のもとへ戻る、あるいは別の家庭や施設へ移ることを前提としています。
養子縁組は、子どもと法的な「親子関係を結ぶ」制度です。戸籍上の親子となり、その関係は永続します。
この違いが、制度の目的・手続き・関わり方のすべてに影響します。
里親制度とは
里親制度は、様々な事情で親のもとで暮らせない子ども(里子)を、里親家庭で一定期間養育する制度です。
児童福祉法に基づき、国と都道府県が制度を運営しています。
里親には複数の種類があります。
養育里親は最も一般的な形で、家庭での養育が必要な子どもを一定期間預かります。数週間から数年にわたるケースまで様々です。
専門里親は、虐待や非行など特に支援が必要な子どもを養育する里親です。専門的な研修が求められます。
養子縁組里親は、養子縁組を前提として子どもを養育する里親です。後述の養子縁組制度と連動しています。
ファミリーホームは、里親家庭を拡張した形で、複数の子どもを養育する小規模住居型の養育事業です。
また、泊まりがけで短期間(数日〜2週間程度)子どもを預かるショートステイや、週末や休日のみ関わる週末里親(トワイライトステイ)という関わり方もあります。
仕事を続けながら、生活に無理のない形で関われるのが特徴です。
里親には里親手当が支給されます。養育里親の場合、子ども一人あたり月9万円(一般の場合)の手当に加え、生活費・教育費・医療費なども別途支給されます。
経済的な負担を過度に心配する必要はありません。
里親になるには、都道府県や児童相談所への申請、研修の受講、審査を経て認定を受ける必要があります。
子育て経験は必須ではなく、子どもへの愛情と安定した家庭環境があれば、様々な方が登録しています。
養子縁組制度とは
養子縁組は、子どもと法的な親子関係を結ぶ制度です。大きく「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があります。
普通養子縁組は、実親との法的関係を保ちながら、養親との親子関係も結ぶ形です。主に親族間での縁組や、成人後の縁組で使われることが多いです。
特別養子縁組は、実親との法的関係を断ち切り、養親との間に完全な親子関係を結ぶ形です。
子どもの福祉を最優先に設計された制度で、対象は原則15歳未満(審判申立時)の子どもです。
特別養子縁組を希望する場合は、養子縁組あっせん機関や児童相談所を通じて手続きを進めます。
審判が確定するまで、一定期間の試験養育期間が設けられます。
2つの制度の主な違い一覧
【親子関係】
里親:生じない(法的な親子関係なし)
養子縁組:生じる(戸籍上の親子になる)
【期間】
里親:一時的(数日〜数年、終了後は別れる)
養子縁組:永続的(一生涯)
【目的】
里親:子どもが安心して生活できる環境の提供
養子縁組:子どもに永続的な家族を作る
【実親との関係】
里親:実親の親権は継続(里親に親権はない)
養子縁組(特別):実親との法的関係を解消
【手当・費用】
里親:里親手当・生活費等が支給される
養子縁組:支給なし(養親として自己負担)
【子どもの年齢】
里親:0歳〜18歳未満
養子縁組(特別):原則15歳未満(申立時)
どちらが自分たちに向いているか
「子どもと永続的な家族になりたい」という気持ちが強ければ、養子縁組を視野に入れることになります。
一方、「まず子どもとの関わりを経験してみたい」「生活を大きく変えずに関わりたい」「様々な形で社会貢献したい」という気持ちであれば、里親から始めることが自然な選択です。
どちらが優れているという話ではありません。自分たちの状況と気持ちに合った形を選ぶことが、子どもにとっても、自分たちにとっても最善です。
また、里親として関わる中で養子縁組を希望するようになるケースも少なくありません。
最初から決めすぎず、まず里親制度について知るところから始めることをおすすめします。
まず知ることから始めましょう
里親制度への第一歩は、児童相談所や里親支援機関が開催する説明会への参加です。
義務も費用も一切かかりません。「話だけ聞いてみる」という参加で十分です。
制度を知れば知るほど、「自分たちにもできるかもしれない」と感じる方が多くいます。
まずは、知ることから始めてみてください。
コメント
言の葉を届けるには入隊するか里に入る必要があります。